Museの『マクロ』機能は、単にフレーズの繰り返しだけに使っていたら非常にもったいないです。
超活用してしまいましょー!

Museのマクロをもっと活用してしまおう!

通常のマクロの動き

通常『展開マクロ ${name} 』は、『定義マクロ $name{内容} 』で指定した音長で再現されます。
また、展開マクロは繰り返し回数のみの指定になります。

通常のマクロ
通常のマクロ2

繰り返しの多いドラムパターンなどに向いている書き方です。

音長に対応して伸縮する「音長対応マクロ」を作成してみる

既存の記法を組み合わせたら、思いがけなく便利なマクロが出来てしまいましたw

;音長対応マクロ  
%
#A1 x1
  $ceg2{ ( c4e8g ) }0
  | _1 |
  | [ ${ceg2} ]1 | ,2, | ,4,,, |

手順

  1. 定義マクロの内容を 連符 ( ) で囲う
  2. 展開マクロを 和音 [ ] で囲う

定義マクロ内容を連符で囲うことによって、音長で自在に伸縮するマクロになります。
また展開マクロを和音で囲うことによって、マクロが『再現表記 , 』で次々書けるようになります。

音長対応マクロ
音長対応マクロ2

Museマクロ機能の本領はここから。超便利なコントローラーに!

マクロは音符フレーズのパターンだけでなくコントロールのパターン作りにも大活躍します。
クレシェンド&デクレシェンドやピッチベンドのパターンなど、よく使うものをいくつか作り置きしておくととても便利です。

$V { ( _2 @V0:2 _2 @V127 ) } ;デクレシェンド
$U { ( _2 @U-10:2 _2 @U0 ) } ;アームダウンなど
※どちらも最後に基準値に戻しています。

連符後ろの音長は書かずに。
連符の中身は音長内のコントロール挿入位置関係を決めるだけですので、

$V { ( _4 @V0:4 _4 @V127 ) } 
のように書いても大丈夫です。
マクロ展開時に、音長に合った長さに自動で伸縮します。

演奏とはフィンガーを分けて展開マクロを置く

休符のみが入ったマクロになるため、演奏用フィンガーとは別フィンガーに置きます。
(大文字コントロールは同じメンバーのフィンガー( #A0 ~ #A9 )すべてに機能します)

%
#A0 @P49 ; 音色「ストリングス」
   $V { ( _2 @V0:2 _2 @V127 ) }0 ;デクレシェンドのマクロ
   | [ ${V} ]1 | , | , | ,2 , | ; コントロール
#A1 x1
   | c1 | d | e | f | ; 演奏

「和音」で複数のコントロール

……さらに、「和音」でマクロを書いていけるワケですから複数のマクロを和音に詰め込むなんてことも可能になっちゃったのです!

#A0
    $pitch { (@U-120:8 _ @U+120:8 _ @U0:16 _) }0
    $Q= { (@Q=64.:8 _ @Q=30.:8 _ @Q=64.:16 _) }0
	_1 [ ${pitch} ${Q=} ]1 ,1 ,2, ,4,,,
#A1
x1 o4
	_1 c1 d1 e1 f1
2つのコントロールを重ねるとどうなるか実験

たいへん面白い結果になりましたw お聴きになってみてください♪

2つのコントロールを重ねるとどうなるか実験.wav

表現の幅が一気に広がる「音長対応マクロ」

休符の隙間にコントロールを置いていくため演奏用フィンガーとは別フィンガーを作る必要が出てきますが、演奏用フィンガーには連結& を使わずに済むのでデータの可読性はぐっと良くなります。
またどれだけ複雑なコントロールのマクロを作っても、和音や再現表記の音長の中に確実に収まる安心感があります。

「音長対応マクロ」ぜひお試しアレです! 音符ひとつひとつにいくつものコントロールを入れられる心地良さはクセになりますよ!w

音長対応マクロ実践